はじめに:お子さんの「軸足」真っ直ぐ立っていませんか?
週末のグラウンドで、こんなアドバイスをするお父さんの声をよく耳にします。
- 「もっと軸足(後ろの足)に体重を乗せて!」
- 「しっかり溜めてから打て!」
このアドバイス自体は間違いではありません。しかし、これを真面目に聞いたお子さんが、**「軸足の真上にまっすぐ立って」**しまっていたら……実はそれが、打球が飛ばない一番の原因かもしれません。
今回は、筋力の少ない小学生こそ知っておきたい、**「小さな体でも地面の力を最大に使うコツ」**をお伝えします。
1. なぜ「真っ直ぐ立つ」と飛ばないの?
バッティングでボールを遠くに飛ばすためには、地面を強く踏ん張り、その跳ね返ってくる力(地面反力)を使う必要があります。
ここで一つ、想像してみてください。
故障して動かない重たい車を、後ろから手で押して動かそうとする時、あなたならどんな姿勢をとりますか?
- 足の真上に腰を置いて、直立して押しますか?
- → いいえ、これでは力が入りません。
- 足を後ろに残し、腰(体)を前へ斜めに倒して押しますか?
- → はい!こうしないと前へ進む力が出ませんよね。
バッティングもこれと同じです。
投手にむかって強いエネルギーをぶつけたいのに、軸足の真上に腰が乗って「垂直」に立ってしまうと、エネルギーは「上(空)」に逃げてしまいます。これでは、どんなにフルスイングしてもボテボテのゴロか、力のないフライになってしまうのです。
2. 目指すべきは「斜めのライン」
お子さんのスイングをスマホで動画撮影して、チェックしてみてください。
足を上げて踏み出しにいく瞬間、以下のどちらになっていますか?
- 【× NG】 接地している軸足の「真上」に股関節(お尻)がある。
- 【◎ OK】 接地している軸足よりも、股関節(お尻)が「投手側」にある。
飛ばすための絶対ルール
股関節は、足の着地点よりも必ず「ピッチャー方向」になければならない。
地面についている足よりも、腰が少しだけピッチャー側に先行している状態。この「斜めの関係」が作れていると、地面を斜め下に強く蹴ることができます。
そうすると、地面からの反動で**「腰が勝手に鋭く回る」**という現象が起き、腕力のない子でもバットがビュン!と走るようになります。
3. お子さんへの分かりやすい教え方
「地面反力が…」と説明しても、子供には難しいですよね。
明日から使える、簡単なアドバイスの言葉(魔法の言葉)をご紹介します。
❌ 避けたほうがいい言葉
- 「後ろに体重を残せ!」
- → 子供は後ろにのけぞってしまい、腰が足の真上に残ってしまいがちです。
⭕ おすすめの言葉・イメージ
- 「お尻からピッチャーに倒れ込んでみよう」
- 「よーい、ドン!のスタートの形だよ」
- かけっこのスタートダッシュのように、足より体が前に出ている感覚を持たせます。
- 「軸足で地面を『斜め下』に踏んづけろ」
「体重を後ろに乗せる」のではなく、**「体重をぶつけるために、あえてバランスを崩して前に出る」**感覚に近いかもしれません。
4. まとめ:正しい「形」なら、体格差は埋められる
少年野球では、どうしても体の大きな子が有利に見えます。しかし、体の使い方が上手くなれば、小柄な子でも外野の頭を越える打球は打てます。
大切なのは、**「物理的に理にかなった立ち方」**ができているかどうか。
- 軸足の上にどっしり座らない。
- 足よりも腰をピッチャー側へ先行させる。
今度の練習では、ぜひこの「足と腰の位置関係」をお父さん、お母さんの目でチェックしてあげてください。きっと、「今のスイング、音が違ったね!」という瞬間が訪れるはずです。
