「うちの子、もっと打てるようになるかな?」と願うお父さん、お母さんへ
「どうすれば、あの子はもっと遠くに飛ばせるんだろう?」「もっと速い打球が打てるようになったら、きっと野球がもっと楽しくなるのに…」
わが子の成長を願う気持ちは、親なら誰もが持っていますよね。BoX Baseball 野球教室で多くのお子さんを指導している中で、親御さんからよくいただくご相談の一つに、**「テイクバックで上半身を一緒に捻ってしまう」**というフォームの悩みがあります。
この動き、実は多くの少年野球選手が知らず知らずのうちにやってしまっているんです。そして、このちょっとした癖が、お子さんのバッティングから大きなパワーを奪っているかもしれません。
今回は、お子さんの打球を劇的に変える**「割れ」**という動きについて、一緒に学んでいきましょう。
「割れ」が、あの子の打球を強くする!
「割れ」とは、構えたところからピッチャー側に一歩踏み出すとき、下半身(お尻)と上半身を逆方向に捻って、ゴムのように引き伸ばすことです。この「割れ」ができると、下半身の力が効率よく上半身に伝わり、ボールに強い力が伝わります。
でも、足を上げたときに上半身も一緒に捻ってしまうと、この「割れ」が作れません。そうなると、せっかく下半身で力をためても、バットに力が伝わる前に逃げていってしまうんです。
強いスイングは「ビンタ」の動きに似ている!
「割れ」の感覚を掴むには、お子さんと一緒に**「ビンタ」**の動きを試してみてください。
「強いビンタ」を打つとき、肘と手のひらを一緒に引く人はいませんよね?まず肘を引いて、手のひらはその場に残します。そして、肘が前に出始めるのと同時に手のひらが後ろに引かれ、最後に肘が止まった瞬間に、手のひらが「パン!」と前に飛び出します。
この動作こそ、「割れ」のヒントです。
- 下半身を捻る → 肘を引く
- 上半身はそのまま → 手のひらをその場に残す
- 下半身が前に出始める → 肘が前に出始める
- 同時に上半身が捻られる → 手のひらが後ろに引かれる
- 下半身が止まる → 肘が止まる
- 上半身が解放される → 手のひらが飛び出す
下半身と上半身を一緒に動かしてしまうと、ビンタで肘と手のひらを一緒に引くのと同じ。これでは強いスイングは生まれません。
一緒にチェックしてみませんか?お子さんのテイクバック
お子さんのフォームに「割れ」ができているか、簡単に確かめる方法があります。
それは、テイクバックで足を上げたときの、バットのグリップの位置です。
- 【理想のフォーム】 グリップの位置が軸足の真上にある。
- 【要注意のフォーム】 グリップが軸足よりもキャッチャー側に飛び出している。
もしグリップがキャッチャー側に飛び出していたら、上半身も一緒に捻ってしまっているサインです。
お子さんの成長を願う親として、この「上半身を捻らずに下半身だけを捻る」という動きを、一緒に練習してみてはいかがでしょうか。最初は難しいかもしれませんが、この動きを身につけるだけで、お子さんのバッティングは大きく変わります。
ぜひ、お子さんのフォームを観察してみてください。そして、この「割れ」の練習をサポートしてあげてください。きっと、今よりもっと力強い打球を打てるようになり、野球がますます好きになるはずです。